
双子パパの私です。半年間の育休が終わるタイミングで、今この記事を書いています。
最初に結論だけ言わせてください。双子育児で育休を取らないっていう選択肢は、正直ほぼないと思います。これは脅しでもなんでもなく、半年間を過ごして実感したことです。
「会社が忙しいから」「抜けづらいし」。そう思う気持ち、すごくわかります。私も最初はそうでした。でも、実際に双子の育児が始まった瞬間、そんな迷いは吹っ飛びました。
片方が泣いたら連動してもう片方も泣く。片方を抱っこしてたら、もう一人のオムツが限界突破。やっと寝たと思ったら、見事にシンクロして起きる。これ、大人ひとりのキャパでは絶対に回りません。
この記事では、実際に半年育休を取った私の体験をベースに、なぜ双子パパに育休が必要なのか、どうやって会社に伝えたのか、そして取得して感じた本音を書いていきます。今、育休を迷っているパパの背中を、少しでも押せたらいいなと思っています。
双子育児は"別ゲーム"だった

単胎児の2倍じゃない、それ以上
最初、「どれくらい大変なんだろう?」くらいの感覚だったんです。周りに双子の知り合いもいなかったし、なんとなく「単胎の2倍くらいかな」って思ってました。
でも、全然違いました。
双子育児は「同時進行」なんです。ミルクも、オムツも、抱っこも、寝かしつけも、全部が同時。しかも、双子は必ずしも同じタイミングで動いてくれません。
ある日の夜中の話です。娘にミルクをあげていたら、息子が泣き始めました。「ちょっと待ってね」と思いながら娘の授乳を続けていると、今度は娘がげっぷと同時に吐き戻し。服がびしょびしょです。息子の泣き声はエスカレート。ママは母乳育児の疲れで限界寸前。
このとき思ったんです。「あ、これ大人ひとりじゃ無理だわ」って。
周囲の双子パパが言ってた意味がわかった
出産前、双子のプレママ教室でたまたま知り合った双子パパの先輩が言ってたんです。「パパの育休は必須だよ。マジで」って。
そのときは「まあそうよね」くらいに軽く聞いてたんですけど、今ならその言葉の重みが痛いほどわかります。あれは経験者だから言える、本当のアドバイスだったんですね。
だから私も今、これから双子を迎えるパパたちに同じことを伝えたい。「育休、取った方がいいよ。本当に」って。
ママひとりでは物理的に厳しい話

これは責めてるんじゃなくて、事実
ここで誤解してほしくないんですが、「ママが弱い」とか「能力が足りない」とか、そういう話じゃないんです。
双子育児って、そもそもの物量がすごいんですよ。授乳だけで考えても、3時間おきに2人分。実質1.5時間おきに誰かが泣く計算です。オムツ替えも1日で20回近く。寝かしつけも、やっと片方が寝たと思ったらもう片方が起きる。
これを毎日、睡眠2〜3時間で続けるって、どう考えても無理があります。気合いとか根性の問題じゃないんです。
もし仕事に行ってたら
想像してみてください。もし私が育休を取らずに普通に仕事に行っていたら。
朝、ママはほぼ徹夜明けの状態。双子を抱えて、ひとりで1日を過ごす。夕方、疲れ果てたママのもとに私が帰宅。そこから夜中まで育児。翌朝また仕事へ。
これ、家庭が確実に崩れてたと思います。いや、本当に。そのくらい、双子育児の最初の数ヶ月はギリギリでした。
だから、育休は「余裕があるときに取るもの」じゃなくて、「家庭を維持するための必須装備」なんです。
会社への伝え方、実際にやったこと

タイミングは安定期に入ってから
僕が上司に相談したのは、妻のつわりが落ち着いて安定期に入った頃でした。この時期を選んだのは、状況を冷静に説明しやすいからです。
妊娠初期だとまだ体調も不安定だし、後期だと「もう少し早く言ってくれれば」って思われるかもしれない。安定期は、ちょうどいいタイミングだったと思います。
まずは雑談ベースで切り出した
いきなり「育休取ります!」って言うと、上司も構えちゃいますよね。だから僕は、もっと自然に切り出しました。
ランチのあとに「そういえば、実は双子なんですよね」って。で、上司が「え、双子?大変だな」って反応してくれたので、「なので、育休を考えてるんですけど・・・」って続けた感じです。
このふわっとした入り方が、意外と話しやすかったです。
具体的な案を準備しておく
雑談ベースで切り出したあとは、ちゃんと準備してきたことを伝えました。
- 取得時期と期間:「出産予定日から半年間を希望しています」
- 業務の引き継ぎ:「〇〇さんに△△の案件を、××さんに□□をお願いできればと思っています」
- 連絡体制:「緊急時は連絡取れるようにしておきます」
こういう具体案があると、上司も「ちゃんと考えてるんだな」って受け取ってくれます。誠実さが伝わるんですよね。
実際の反応は?
上司の反応は「そうか、わかった。調整してみよう」という感じでした。思ったよりスムーズで、正直ホッとしました。
同僚からは「いいなあ、育休」って言われたこともありますけど、大半は「大変そうだな、頑張れよ」って温かく送り出してくれました。
父親はあなたしかいない

会社には仕組みがある
これは半年の育休を経験して、一番強く感じたことです。
会社って、仕組みがあるんですよね。あなたが休んでも、誰かが代わりに動いてくれる。チームとして回るようになってる。それが組織です。
実際、私が休んでいる間も、会社はちゃんと回ってました。引き継いでくれた人たちが頑張ってくれたおかげです。
でも家庭には代わりがいない
でも、家庭は違います。父親であるあなたの代わりは、誰もいません。
双子のパパはあなたしかいない。そして、ママのパートナーもあなたしかいないんです。
「会社に迷惑かけるかも」って思う気持ち、すごくわかります。私もそうでした。でも、家庭が壊れる方が、よっぽど取り返しがつかないんですよ。
優先順位を考えたとき、答えは明確だったなって、今は思います。
育休を取って感じた予想外のメリット

ママの心身が守られた
これは本当に大きかった。ママに「ちょっと休んでいいよ」って言える環境があることが、どれだけ救いになったか。
産後1ヶ月は特に大変でした。双子の女の子の方が母乳を上手く吸えなくて悩んでいたし、睡眠不足で精神的にも不安定になってた。僕が夜中の授乳を分担したり、日中に双子を見てる間に妻に寝てもらったり。
そうやって少しずつ、ママの気持ちも安定してきたんです。それを見て、「育休取ってよかった」って心から思いました。
家の空気が落ち着いた
不思議なんですけど、パパが育児の戦力になると、家全体の雰囲気が穏やかになるんですよ。
ママもイライラすることが減ったし、長男も「パパがいてくれる」って安心してる様子でした。双子も、泣いたらすぐ誰かが対応してくれるから、激しく泣き続けることが少なかった気がします。
これは理屈じゃなくて、実感としてありました。
父親スイッチが自然に入った
最初、私はオムツ替えもミルク作りも全然慣れてなくて、ママに「それ逆だよ」って指摘されまくってました。
でも、毎日やってると、自然とできるようになるんですよね。双子のちょっとした変化にも気づけるようになったし、泣き声で「あ、これはオムツだな」ってわかるようになったり。
父親スイッチって、ある日突然入るものじゃなくて、毎日の積み重ねで育っていくんだなって実感しました。
子どもとの距離が近くなった
半年一緒に過ごしたことで、双子も長男も、僕に自然と懐いてくれました。長男なんて、「パパと遊ぶ!」って毎日言ってくれて。
双子も、私が抱っこするとすぐ泣き止むようになったし、お風呂も私が入れるのが定番になりました。
この距離感って、週末だけ育児を手伝う"お客さんパパ"では絶対に得られなかったと思います。
取得期間は最低3ヶ月、できれば半年
最初の3ヶ月が一番きつい
双子育児で一番きついのは、間違いなく最初の3ヶ月です。授乳リズムも定まってないし、夜泣きもすごい。ママの産後回復もまだ途中。
この時期を乗り越えるためには、パパの存在が不可欠です。だから最低でも3ヶ月は取った方がいいと思います。
半年あると余裕が出てくる
3ヶ月を過ぎると、少しずつ生活リズムが整って来ます。4ヶ月を過ぎると夜もまとまって寝るようになったし、授乳間隔も空いてきた。
5ヶ月を超えてくると離乳食も始まるので、そのサポートもできました。半年あると、ただ「乗り切る」だけじゃなくて、「次のステップを整える」余裕が生まれます。
迷ってるパパへ伝えたいこと

特別な勇気なんていらない
育休を取るのに、特別な勇気は必要ないと思います。必要なのは「家族をどう守りたいか」っていう、ただそれだけです。
双子が生まれるって決まった時点で、もう答えは出てるんですよ。取った方がいい。いや、取るべき。それが私の結論です。
完璧じゃなくていい
育休中、私は何度も失敗しました。ミルクこぼすし、オムツは逆につけるし、寝かしつけに失敗してママにに助けてもらうし。
でも、それでいいんだと思います。大事なのは、そこにいること。一緒に試行錯誤すること。ママと一緒に、少しずつ親になっていくこと。
完璧な育児なんて、どこにもありません。
後悔しない選択を
子どもの成長って、本当に早いです。気づいたら首が座って、寝返りして、お座りして。あっという間に大きくなります。
今しかないこの時間を、家族と過ごせる選択肢があるなら、それを選んでほしい。仕事はいつでもできるけど、赤ちゃん時代は二度と戻ってきません。
育休を取ることを迷ってるなら、僕は全力で背中を押したいです。絶対に、後悔しないから。
まとめ

半年の育休を終えて、今この記事を書きながら思うのは「取って本当に良かった」ということです。
ママの心身を守れたこと。双子と長男との時間を持てたこと。父親としての自信がついたこと。どれも、育休がなければ得られなかったものです。
双子育児は、想像以上に大変です。でも、想像以上に幸せでもありました。その幸せを支えたのが、育休だったんです。
会社への配慮は必要だけど、過度に遠慮する必要はありません。育休は権利です。そして双子育児においては、家族を守るための必須装備です。
もし今、育休取得を迷っているパパがこの記事を読んでくれているなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。その決断が、あなたの家族の未来を明るくしてくれるはずです。
外部リンク
- 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」 育休制度の公式情報・取得条件
- 日本多胎支援協会 双子・多胎児育児の支援情報と相談窓口
- こども家庭庁「出産・子育て応援交付金」 経済的支援制度の最新情報
- イクメンプロジェクト(厚生労働省) 男性の育休取得促進と体験談




